自動化設備管理作業支援インタフェース

高度に自動化された設備であっても,それが実際の作業環境で意図どおりに稼動し続けるためには,立ち上げ時にはその動作則を環境に合わせて正しくチューニングし,異常発生時にはそれを素早く検知して問題を特定し適切に介入するスキルが求められます.このような複雑な機械システムを管理する認知的作業の難しさを解消するために,作業内容や作業対象のシステマティックな分析によってその円滑な遂行に必要な情報を抽出し,インタフェース設計につなげるアプローチについて研究しています.これまでに,自動生産設備のチューニングや産業用ロボットの教示作業を具体例として,人が関与する作業の効率化・脱スキル化に取り組みました.

Systematic analysis of human work with factory automation

ロボット教示作業の支援技術開発

産業用ロボットに他物体との接触をともなう動作をプログラムするには,動作軌道の生成に必要な動作点を現物に合わせて一点一点教え込む必要です.そのために作業者は,ティーチングペンダントと呼ばれる操作端末を用いてロボットを操作し適切な動作点を探します. 現在の教示作業は目視による位置誤差の判断が頼りのため,部品組付け動作のような精確な動作点の情報が要求される動作の教示作業では特に多くの試行錯誤が繰り返されています.作業機会や作業者ごとに揺らぐ教示作業の時間や品質をいかに高いレベルで安定させるかが生産工程におけるロボット活用の課題ですが,現場での実用に耐える支援技術はまだ存在しません. 私達は,部品組付け動作を対象に,教示作業の対象であるロボットシステムの状態について的確な理解を作業者に促す操作インタフェースの開発に取り組みました.

Configural display for teaching operation positions to industrial robot

自動計量装置調整作業の支援技術開発

組合せ計量装置は,計量対象物を少量ずつバッチに小分けして各々の重量を測定し,それらの中からいくつかを組み合わせて所定の分量からなる商品を生成します.商品種の変更によるライン組み替えや搬送面への付着物等によって装置の稼働条件はさまざまに変動するため,装置本来の性能を引き出すためには繊細なパラメータ調整が求められます.しかし,装置ベンダのサービスエンジニアであれば99%以上の稼働率を調整によって実現できるのに対して,ユーザ企業の作業者による調整は95%程度を実現するに留まります.これは,パートタイマなどの流動的な人材が調整を担当し,十分な訓練を積むことがない等の要因に依るものです. 私達は,この作業を理解容易なものにし効率化するために,調整作業のタスク分析と作業領域を実施し,操作インタフェースの改良に取り組みました.

redesigned UI for tuning automated weighing machine



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Last-modified: 2012-04-12 (木) 12:09:29